最近、朝、家で朝食を食べる代わりに、事務所近くのパン屋でパンを買うことがある。「パンならコンビニで買えるじゃないか。」 私も長らくそう思っていた。コンビニであれば、パンに限らず、おにぎりや弁当を買うこともできるし、その他必要なものをついでに買うこともできる。また、コピー機とプリンタを設置しない当事務所としては、コンビニでコピーやPDFプリントを利用する機会は多い。
しかし、ここであえてパン屋でパンを買う意味を考える。前述のとおり、他の商品とのコラボという点では明らかに劣る。価格においても、特別に優位性があるとは思えない。やはり「味」ということになるのだろう。この味の違いが最大限に発揮されるのは焼きたての時であろう。コンビニのパンも工夫を凝らして時間がたってもおいしく食べられるが、やはり焼きたてのパンのおいしさにはかなわない。私もまだアツアツの焼きたてのパンをつい選んで買ってしまう。
ただ、当然ながら、焼きたてのパンは、時間がたつにつれて焼きたてではなくなる。お客様が欲しい時間に、焼きたてのパンを提供できれば言うことなしである。この辺り、ピザ屋が作りたてのピザを配達するのと同様のことはできないだろうか。配達は人手がなくては無理としても、あらかじめ予約注文しておいて、取りに行く方式ならできそうな気もする。価格に関してもパン屋の方が自由度は高い。残念ながら時間がたってしまったパンは多少安く売れば売れるだろう。そういうマークダウン商品狙いに、閉店間際のスーパーに現れる人もいるくらいだから(私のこと)。コンビニではそれは難しいようだね。
つまり、パンの専門家であるパン屋がお客様のニーズを満たせる商品を提供できるとしたら、そして価格等の条件が折り合えば、便利なコンビニよりもパン屋を選ぶ余地は十分にあるということだ。もちろんパンに限ったことではない。われわれ士業にとっても同じだろう。今やDIY本は世にあふれ、相談事もネットでQAすることが可能な時代だ。専門家の力に頼らず、自分でやろうと思えば自分でできる環境は揃っている。この状況であえて専門家に頼ってもらうには、自分でやる以上の、ネットで調べる以上の価値を、お客様に分かってもらえる形で提供できなければならない。私がパン屋でパンを買うように、地域の方々が私に相談し、仕事を依頼してくれるように、選ばれる司法書士になりたいと思う。
ちなみに、私は左手前のソーセージが入ったパン(ピリ辛です)と、右奥のカスタードの入ったパン(焼きたてのパンからあふれ出るカスタードの甘さがなんとも)がお勧めです。